こんにちは。牧野太郎です。
本日は福岡で診療していました。

本日はフェイスリフトの手術を行いました。
フェイスリフトは世界的には傾向としてShort scar Face Lift(短い切開のフェイスリフト)が主流になりつつあります。

フェイスリフト傷
The minimal access cranial suspension (MACS) liftより引用

従来のフェイスリフトは頭髪部から耳の前から耳垂の下を通って耳後部から生え際にそって切開していました。視野も広く、頬から頸部にかけてしっかりと引き上げることができるため有用な方法なんですが、回復までの時間が長く、皮膚の壊死や耳垂の変形(耳垂が下に引っ張られ伸びてしまう)のリスクが高い方法でした。

そこで日本では、耳の前を少しだけ剥離して皮膚を切除して持ち上げるミニリフトなどが出現するのですが、効果が弱く、すぐに元に戻ったり、傷の緊張が強いため傷あとが目立ったり、耳の変形も多く見られました。

一方、ヨーロッパやアメリカでは傷は短くしつつも、効果の高い方法を豊富な解剖学的知識から出されるようになります。

その代表的な方法がDr.TonnardとDr.VerpaeleのMACSリフト、Dr. Daniel Baker,のShort Scar Faceliftになります。よりリスクのない方法である程度の効果を出すことが目的です。
私はそれぞれの方法で足りない部分をDr.Mendelsonの解剖、Dr.Martenの手技を参考に改良しています。

見た目はミニリフトのような傷でも、効果は従来のトータルフェイスリフトと同等の効果を出すことができるようになりました。正にこれが医療の進歩といえるでしょう。

ところが現在の日本ではミニリフトのような効果の少なく、その割に併発症の多い治療がフェイスリフトという術式で認知されてしまっています。その結果、希望する患者さまが減り、だんだんとフェイスリフトが廃れてきたというのが現状ではないかと思います。もちろん、非手術治療(レーザーや高周波、超音波などの治療機器)が進歩してきているのも理由だと思いますが、なにものにも代えがたい効果が手術にはあります。手術特有のリスクはありますが、術者の技量によって、頻度は全く異なると考えています。

本当に良い治療なんですけど、このあたりの誤解を解くことにいつも頭を悩ませています。

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